飲み友達をどうするか

断酒

断酒をする上で、もっとも大きな障害の一つに、友人関係がある。酒好きのあなたの周りには、同じく酒好きの大切な友人がたくさんいる。会えば酒を酌み交わし、朝までどんちゃんするのが慣例だ。

あなたが断酒をすれば、飲み友達は一様に、あなたにどうして?と聞くだろう。そして、どんな言い訳をしたところで、誰も納得などしない。話はいいから、まあ飲めやとなる。

それでも頑なに飲まないあなたに、友人はシラケるだろう。中には怒り狂う友人もいるだろう。そして、もうその友人とは会うこともなくなるかもしれない。

それはそうだ。あなたが逆の立場でも、同じようにするだろう。あんなにお酒を飲んで楽しく遊んだ大事な思い出に泥を塗るつもりかと、これからも変わらず、お酒を飲んで楽しむつもりだったのに、それを踏みにじるのかと。酒をやめて仲間から抜ける気かと。

あなたはアルコール依存症になるくらいお酒が強いわけだから、あなたのキャラクターは、お酒の強いあなた、飲兵衛のあなた、そして、お酒ではっちゃけて楽しいあなた、で形成されていることだろう。飲み友達はみな、あなたの飲んだ姿しか知らない。あなたの酒好きキャラクターを愛しているから、一緒にいるのだ。

しかし、あなたが断酒をして友人を失えば、たくさんの良い友達がいるというあなたのキャラクターは崩壊する。そして、あなたがあなたで無くなることに、あなたはきっと耐えられない。お酒をやめるということは、この点において、非常に難しいと言える。酒も友も楽しみも何もかもを捨てることになるからだ。

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それでもあなたは断酒をした方が良いと、少しは感じているだろう。私もそれがベストだと思う。自分が自分でなくなって、友人も楽しみも酒も無くしてしまうにもかかわらず、断酒をすべきだと言っているのだ。

どうしてそんな答えにたどり着くのか。よく考えれば簡単だ。お酒は脳を麻痺させる。 いくらあなただって脳が麻痺した状態を、本当の自分だなどと心の底から思ったりはしないだろう。そしてあなたの飲み友達は、「麻痺したあなた」の友達であり、「本来のあなた」の友達ではない。本来のあなたにとって、その人たちはあなたの友達とは言えない。もしもその人たちと友達になりたかったら、本来のあなたの状態で、新たな関係を築いていくしかない。そして相手が受け入るなら、お互い新しい友達になれるだろうし、逆に受け入れられないのであれば、もしくは、新たに友達関係を築くのに気後れするようならば、もう放っておけばいい。麻痺したあなたの友達は、本来のあなたにとっては赤の他人なのだから。

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そこまで割り切れないよ。ちょっとあたまが麻痺していても、それは本当の自分だよと、言いたい気持ちは分かるし、実はあなたの脳は、本気でそう感じている。

なぜならアルコールは、麻薬や覚醒剤と同じように、身体依存、精神依存を形成する作用を持った毒物だからだ。毒物の依存形成力により、脳も身体もアルコール漬けになった状態を、本来の自分であると考えている。あなたがいくら論理的に、酒で脳が麻痺した自分は本来の自分ではないという考えに至ったとしても、脳も身体もそのようには理解しない。あなたが論理的に、本来の自分に戻るために断酒を行ったとしても、逆に脳も身体も本来の酒漬けの状態に戻ろうと、あの手この手を繰り出して、何とか酒を飲もうとする。

よくあるのが、あなたのことを思い断酒を応援してくれいている大切な人に、暴言を吐いてみたり、暴力をふるってみたり、何か事あるごとにその人を責めてみたりすることだ。一見、飲酒とは関係なさそうだが、お酒に洗脳されている脳は、かなりしたたかで、われわれの薄っぺらい論理的思考なんかよりも断然ずる賢い。その大切な人からの応援を退ければ自ずと飲酒の機会が巡ってくるというところまで考えて行動を起こす。我々の論理的思考は、そこまでの理解はできず、自らの脳の戦略に沿った行動をしてしまい、いつの間にやら飲まなければならないシチュエーションに陥ってしまう。

感覚としては、将棋の羽生マジックのようなものだ。一見何でも無い行動に見えるが、酒漬けになりたがっている脳は、どうすれば自分が酒を飲めるのか熟知している。脳は自分自身なのだから、相当自分を知り尽くしているのだ。

そして、酒を求める脳は、自分が頑なに酒を飲まないというのなら、他人を使って酒を飲もうとする。これがかなり断酒を難しくするのだ。

酒漬け状態が本来の自分だと考えている自分の脳。これにくらべれば、飲み友達なんて大したことはない。ただ距離を置けばいいだけの話だ。本来の自分にとっては赤の他人だと肝に銘じることだ。

自分の狂った脳は常に一緒だ。隙あらば、そして、隙が無くても何とか酒を飲もうとたくらんでいる。逆に言えば、この狂った脳さえどうにかしてしまえば、断酒は簡単に完遂できるのだ。その暁には、飲み友達とも、酒のない本来の自分のまま、新な関係を作っていける。それまでは、酒漬けになりたい自分の脳によって、この飲み友達はいいように使われるのがおちである。断酒の自信がつくまでは飲み友達とは距離を置くのが正解だ。そして、その断酒の自信は必ずつけることができる。絶対に飲みたいと思わない日々がやってくる。夢ではない、現実にできるのだ。あきらめるな。

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